毒舌紳士に攻略されて
その威圧感と言ったら半端ではない。
怖くてつい身構えてしまいつつも、遅れて待たせていたのは事実。
怒りに満ちた顔から逃れるよう、慌てて頭を下げた。
「ごっ、ごめんなさい!仕事が終わらなくって……。その、待たせてしまって本当にごめんなさい」
きっと紳士的な彼なら、約束の時間より前に来て待ってくれていたのだろう。
すると案の定な返事が返ってきた。
「だいぶ待たされたな。約束の十分前には来ていたし」
うっ……!やっぱり。
「ごめんなさい」
「謝ってくれればいい。それに女の待たせるのは趣味じゃねぇから」
紳士的な言葉に顔を上げれば、いつもと変わりない表情。
「……あはは」
あぁ、やっぱりこの人のことは一生好きになれないと思う。
涼しい顔をしちゃってさっきみたいな台詞をサラッと言ってのける。
口は悪いし、たまに……いや、かなりの頻度で毒を吐くけれど、紳士的なのだ。
そんな彼の魅力に私達同期仲間をはじめ、女性社員達はすっかり虜になっている。
もちろん私と、ラブラブな彼氏がいる琴美は別だけど。
「なに笑ってるんだ?気持ち悪い。さっさと行くぞ」
「……はい」
汚いものでも見るような目で私を見た後、スタスタと長い足の特性を存分に使って先へと歩いていく坂井君の後を、短い足を必死に使って追い掛けていく。
怖くてつい身構えてしまいつつも、遅れて待たせていたのは事実。
怒りに満ちた顔から逃れるよう、慌てて頭を下げた。
「ごっ、ごめんなさい!仕事が終わらなくって……。その、待たせてしまって本当にごめんなさい」
きっと紳士的な彼なら、約束の時間より前に来て待ってくれていたのだろう。
すると案の定な返事が返ってきた。
「だいぶ待たされたな。約束の十分前には来ていたし」
うっ……!やっぱり。
「ごめんなさい」
「謝ってくれればいい。それに女の待たせるのは趣味じゃねぇから」
紳士的な言葉に顔を上げれば、いつもと変わりない表情。
「……あはは」
あぁ、やっぱりこの人のことは一生好きになれないと思う。
涼しい顔をしちゃってさっきみたいな台詞をサラッと言ってのける。
口は悪いし、たまに……いや、かなりの頻度で毒を吐くけれど、紳士的なのだ。
そんな彼の魅力に私達同期仲間をはじめ、女性社員達はすっかり虜になっている。
もちろん私と、ラブラブな彼氏がいる琴美は別だけど。
「なに笑ってるんだ?気持ち悪い。さっさと行くぞ」
「……はい」
汚いものでも見るような目で私を見た後、スタスタと長い足の特性を存分に使って先へと歩いていく坂井君の後を、短い足を必死に使って追い掛けていく。