心アルバム~3年間の軌跡~
「馬鹿、しーっ!!」
木下君に慌てて口を押さえられる。
いきなりまた近くなった距離に心臓が早く動く。
「生徒指導の先生に見つかったら面倒だろーがよ。」
私の耳元で小声でそう続ける木下君。
た、確かに…。
私は口を押さえられたままなのでとりあえずコクコクと頷く。
はぁー、とため息をつきながら手を離してくれた。
「とりあえず、教室。」
行くぞ、と言いながら私の前を歩き出してくれた。
もしかしたら、私の為に…?
考えすぎかな。
でも、私の為だったら嬉しいな。
そう思ったらついにやけてしまう。