Darkness and light
出会い
ネオンがきらめく夜の繁華街。
裏路地に広がる闇の世界で走る一人の少女と、それを追いかける10人近くの大人たち。


「おい!このままじゃ逃げられちまう!」

「お前!回り込んで挟み撃ちだ!」

「・・・もう遅い、まかれちまった。」


あまりに足の速い少女に鍛え上げられた筋肉の持ち主である大人たちもお手上げだった。




追っ手から逃れた少女は少しだけ乱れた息をととのえてから、人ごみに紛れるため表へ出ていった。

「・・・まぶしい。」

とても久しぶりに見る外の世界にまぶしげに目を細めて言った。



すれ違いゆく周りの人たちは少女を好奇、不可解、驚愕の目で見つめていく。

それもそのはず、少女の容姿は黒くてつやのある長い髪にすこしつり目の大きな漆黒の瞳、スッととおった鼻は高く薄くて形のいい唇。 まさに絶世の美女だったのだ。

そして、今は三月という寒さも残る時期。しかも夜の街であるというのに


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