運命の出会い

ストーカー

翌日、ヒリトは記者会見を開いた。
パシャパシャ
フラッシュがあちこちからたかれる。
「皆様にご報告があります。私事でございますが、今真剣にお付き合いをしている人がいます」
「お相手はどんな方ですか?」
「俺のマネージャーをしてくれてる人です」
色々質問が飛び交い、やっと終わった。
場所は変わって社長室
「これでマスコミの目を気にしなくていいな」
「お疲れさまでした」
冷たいアイスコーヒーを出す。
内線電話がなった。
「はい、花咲です」
「グローバリーの井上様がおみえです」
「えっ、今いきます」
社長室から出て面会室をノックする。
「お待たせしました」
「みどりちゃん」
「さとしくん久しぶり」
「ヒリトさんと付き合ってるって本当?」
痛い質問だ。
「ええ、そうよ」
「俺の気持ちはどうなるの?」
「気持ちって…」
「俺はヒリトさんより、みどりちゃんを愛してる。今からでも連れ去ってもいい」
「早まらないで、そんなことしてもどうにもならないわ」
「…」
「さとしくん、私よりいい人必ず現れるから…」
「もういい帰る」
ドアを乱暴に開けさとしは帰っていった。
「井上か」
いつの間にかヒリトが入ってきた。
「はい…」
「あいつもまだ諦めていなかったのか」
ヒリトは私を抱き締める。
「何処にも行くなよ」
「はい」
温かいヒリトの胸。

仕事が終わり、マンションでくつろいでるとチャイムがなった。
「ヒリトかな?」
ドアを開けると、さとしが立っていた。
「何でここが?」
「秘密、上がらしてね」
勝手に中に入る。
「ちょ、ちょっと」
「ここがみどりちゃんの部屋か〜」
「もしかして、私の後をつけてきたの?」
「そんな所かな」
「それじゃストーカーじゃない」
さとしの腕を引っ張る。
「帰ってよ」
「帰らない。俺、本気だから」
「私にはヒリトさんと言う人がいるのわかってよ」
さとしは立ち上がり、部屋を出ていった。
私はすぐに鍵を閉めヒリトに連絡した。
「もしもし」
「ヒリト?寝てた?」
「いや、起きてたよ。どうした?」
さっき起きた出来事を一部始終話した。
「やっぱり、一人暮らしは危ないな」
「でも、もう来ないと思うし…」
「俺んとこ来い」
「やっぱりその方がいい?」
「うん、そうしてくれ」
荷物をまとめ、車に乗せヒリトの家に向かう。
尾行されてないか確かめながら走る。
鍵を開け、中に入るとヒリトが待っていた。
「荷物持つよ」
ヒリトの後についていき寝室に入る。
「これからは二人で暮らそう、マンションも早めに引き払って」
「そうね、その方がいいかも…」
「これからは俺がみどりを守るから」
ギュッと抱き締められる。
「もう寝るか」
「うん」
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop