もうこれ以上噛まないで
もうこれ以上噛まないで



それは……最初に彼と体を重ねた時の事だった。



「ねぇ……噛んでもいい?」



「え?」



「ちょっとでいいからさ」



中高通して運動部だったという彼、タツキ。



その陽に焼けた、浅黒い肌に浮かんだ汗をタオルで拭うと……唇がそろり、二の腕へと移動したのを感じた。



私は……緊張の余り、全く動く事が出来なかった。



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