もうこれ以上噛まないで
前を歩くタツキに誘導されるように、連れてこられたのは先週と同じ……少し町外れのラブホテル。
決して見た目は綺麗じゃないけれど、中は意外に広くてびっくりしたんだ。
「泊まってもいい?」
遠慮がちに聞くタツキに、一緒にいられる嬉しさが先に溢れてしまう。
でも、ダメだよ。
……そんな少年みたいに輝いた瞳を向けられたら、聞けなくなっちゃうよ。
だから……問えないまま、私の体を今日も彼は噛む。
愛おしそうに、何故か腕と背中。最近年齢のせいか少しだけ出来た腰のくびれにかけて。
丁寧に
何度も
歯を立てる。