もうこれ以上噛まないで
っー……濃い!!
舌先は痺れ、口中に広がる重厚な香り。
それでも
生きたいと願ったタツキが愛した味を記憶しようと、出来るだけ長い間口に含め、そして飲み干す。
その味は、意外にも苦手なアルコールではなく……ひょっとしたらタツキの血はこんな味だったのかな?なんて思うような深く喉を抉る液体。
彼を体の中から受け入れるべく、その多めの一杯を飲み干した。
どうやら私は、アルコールの香りは苦手だけれど、多少のお酒は飲める方だったらしい。