もうこれ以上噛まないで



辺りを闇が包み始める頃、居酒屋近くの……もう何度も二人で通っているワインバーへと顔を出す。



私は未成年だし、そもそもアルコールの香りが得意じゃないので自家製のワインによく似たグレープジュース。



タツキは……重めの赤ワインが好きなんだっていつも言っていた。



血を飲んでる気がするから。



あの言葉の意味、今だったら分かるのに。



「血なんて悪趣味だよ……」



そんな事言っちゃって、本当にごめんね。



もちろん、後悔は先には立たない。



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