愛を教えてくれた君に
ーKanitaー
あの長身は海司だ。
あの小さいのは虹恋ちゃん?
今日も一緒か。
「朝からうるせー」
海司は相変わらず冷たい。
その隣でニコニコしてる虹恋ちゃん。
名前のとおり笑顔が似合う子だな。
「ねぇ~海司?朝テレビ見た?」
「なんで。」
「穂乃果さん出てたよ♪」
「お前もその話か。」
「なに?虹恋ちゃんが穂乃果さんのファンとか?」
「ファンよりすげーよ。」
なんだ?ファンよりすごい?
「山田くん。あんまり・ ・・・。」
「加藤、隠してるのか?」
コクンっと小さく頷いた。
さすがにここまで聞いたら気になる。
「え、酷い。虹恋ちゃん俺に教えてくれないの?」
そういうっと虹恋ちゃんはアワアワしてた。
「加藤。大丈夫だよ。コイツ俺以外には口硬いから。」
自惚れしてる~
確かに海司には隠し事できないけどさ。
「あのね。私の親なの。」
「え?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
虹恋ちゃんはちょっと悲しい顔をしていた。
「お前絶対言うなよ。」
「はい。」
「やっぱり。私なんかが子供じゃダメなんだろうな。」
虹恋ちゃんは小さく言っていた。
多分海司も聞こえてた、
少し悲しいそうな海司の顔はなんでだ。
俺も海司も聞こえないふりをすることにした。
「ところで虹恋ちゃん。体調大丈夫?」
「うん。すっかり元気になったよ!ありがとう。」
「そう、よかった!」
俺がニコっと笑うと、ニコッと返してくれた。
可愛い。
そう思ってしまう俺はバカなのか?
なんだかんだで学校に着いた。
なぜか虹恋ちゃんは
「迷惑だと思うから先にいくね?」
っと走って行ってしまった。