愛を教えてくれた君に

-Kaizi-

俺は目の前の女がイライラしているのがわかった。

太陽ってやつもあほだろ。

あと女子力について語るそこの男どもも。

肝心の隣の加藤 虹恋?は何にも気づいていない。

だがやっぱり加藤 虹恋の瞳は寂しそうだった。

俺は思わず笑った。

一瞬だけど。

その一瞬を加藤 虹恋に見られてしまった。

なぜかその時だけは彼女の瞳はきれいに輝いていた。

おれはその正直な瞳に吸い込まれそうになった。


「や、山田くん?」


加藤 虹恋に名前を呼ばれ我にかえる 。


「今、笑ったよね?」


そしてさっきと同じ瞳で俺を見つめてきた。

俺はとっさに目を逸らした。


「気のせいかな?。ごめんね?。」


っと彼女の瞳は寂しそうな瞳に戻った。


横目でもわかった。


彼女の瞳が。


----・・・・・・昼休み

奏多がやっときて。

二人で屋上で飯を食っていると。


「なぁ~」


奏多が問いかけてきた


「あぁ~?」


っと俺は答えた。


「あそこに女の子居るよ~」


女の子?


周りを見渡すと、そこには加藤が居た。


誰かと電話しているみたいだった。


「もしもし?うん。ママもパパも気を付けって。」


その声だけが聞こえた。

その時の瞳は寂しそうだった。

いつも寂しそうな瞳をするのは親が理由なのか?


「あの子。噂のNo.1じゃん!」


奏多は嬉しそうに言った。

確かにアイツは奏多の好みだ。

てか、アイ ツを嫌う男子はいないだろう。


「あ、山田くん。」


その瞳はまだ寂しそうだった。


「あぁ。」


俺はつい。答えてしまった。


「え?今反応した?」


その瞳は少し輝きを見せた。


「ねぇ!俺、奏多!君、名前は?」


加藤は少し焦ったように


「加藤 虹恋です。」


っと苦笑いを浮かべた。


「虹恋ちゃんか!海司が俺以外の人に反応したの
 この学校で多分虹恋ちゃんが初めてだよ ??w」

「おぃ、奏多。勝手なこと喋ってんじゃねぇよ。」

「いいじゃん♪ね!虹恋ちゃん!」


明らかに加藤は焦っていた、


「奏多、やめろ。困ってる。」


「あ、ごめんね?。
 ところでなんで2人は知り合い?」


同じクラスなの知らないのか。


「同じクラスだよ。」


加藤は嬉しそうにいった。


「今日、席替えで山田くんと隣の席になったの。
 
 山田くんって下の名前海司って言うんだね!」


彼女はま た人を引き付ける力のある瞳を見せた。


「なぁ。お前が少し惹かれた気持ちがわかるよ。」


奏多が落ち着いた表情で加藤の瞳を見ながら言った。


加藤は訳が分からないという様子だった。


無自覚って大変だな。
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