二回目のプロポーズ

「もしもし?」

「日村君もやっぱりわたしのこと重荷って思ってるんだよね?」

「え?雪さん?」

気がついたら日村君に電話していて

「だから、黙ってたんだよね・・・私たちが付き合ってたこと」

「どうしてそれを・・・」

「お母さんに聞いた」

「そうですか・・・」

「どうして?どうして私たちが付き合ってたこと言ってくれなかったの?」

「今のあなたにそれを言ってどうする・・・」

「え?」

「今のあなたに好きでしたって言ってどうするって言ってるんです」

「あなたのなかに七年間僕と過ごした記憶はなにもない、それに好きでしたって言ってしまうと・・・」

「・・・言ってしまうと?」

「それこそ雪のことを記憶の中の人にしてしまう、俺の好きだった雪が遠くに行ってしまうようで」

「じゃあ、今のわたしは好きじゃないってこと・・・」

「それは・・・」

「もういい・・・」

そう一言いって電話をきってしまった・・・

「わからないよ・・・この好きって想いは今のわたし?それとも記憶を無くす前のわたしのもの?」

それからわたしは日村君とメールも電話もしなくなった
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