獣(犯罪者)に愛された女子高生
しかし、こちらと目が合うと顔から恐怖の文字は取れて、素っ頓狂な声を出した女。
俺を見た後に向こうから近付いてきた、が、一瞬にして足を止めた。
多分、この姿を見たからに違いない。
人々は皆、俺を恐れ嫌う。
それは俺が“ヒト”ではないからだ。
額には鬼のような一本のツノ。
耳は尖り牙が生える。
だか、これくらいならば自分の意志で体内に隠すことはできよう。
しかし、それすらを隠そうとも俺は“ヒト”にはなれないのだ。
俺は、ヒトの臭い…血に反応して自身の意志とは関係なくその身を貪り喰ってしまう。
完全なバケモノだ。
だからこの世で俺を見るなり人々は言うのだ…
悪魔の獣(犯罪者)だ、と。