イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
1、新しい上司 ー 桃華side
シンデレラになれないと知ったのは四歳の時。
『ガラスの靴なんて履いたら固くて歩けないわよ』
小学一年にしてクラスのファッションリーダーだった三つ上の姉は言った。
サンタがいないと知ったのは五歳の時。
『父さんがお前に渡せってさ』
海外出張中の父に頼まれたと言って、五つ上のクールな兄が私がサンタにお願いしたプレゼントを投げて寄越した。
この頃の私は夢見る少女じゃなかったと思う。
女の子が憧れるひらひらのお洋服は、遊ぶには邪魔だし、長い髪は毎朝結ぶのが面倒。
姉の真似をしても、可愛くはなれない。
やるだけ無駄。そもそも素材が違いすぎる。
ならば、頭で勝負だと思ってどんなに勉強しても、天才の兄には勝てなかった。
兄は一を知って十を知るタイプの人間で、教科書も一度目を通せばすぐに理解出来る。
『ガラスの靴なんて履いたら固くて歩けないわよ』
小学一年にしてクラスのファッションリーダーだった三つ上の姉は言った。
サンタがいないと知ったのは五歳の時。
『父さんがお前に渡せってさ』
海外出張中の父に頼まれたと言って、五つ上のクールな兄が私がサンタにお願いしたプレゼントを投げて寄越した。
この頃の私は夢見る少女じゃなかったと思う。
女の子が憧れるひらひらのお洋服は、遊ぶには邪魔だし、長い髪は毎朝結ぶのが面倒。
姉の真似をしても、可愛くはなれない。
やるだけ無駄。そもそも素材が違いすぎる。
ならば、頭で勝負だと思ってどんなに勉強しても、天才の兄には勝てなかった。
兄は一を知って十を知るタイプの人間で、教科書も一度目を通せばすぐに理解出来る。