イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 年俸アップよりも嬉しいです、ボス。

 コーヒーぐらいお安いご用ですよ。

 今朝持ってきたバッグの中身を全部シャーリーに移し、思わずにんまりする。

「私のだあ」

 その日はどんなに忙しくても、終始笑顔でいられた。

 会食に行くベルガー氏と瑠海を見送り自席に戻ると、綺麗なブルネットの髪女性が私の椅子に座っていた。

 誰?

「あなたが瑠海の新しい秘書の桃華?」

「そうですが……」

「ふうん。私にシャーリー持って来いなんて言うから誰にあげるのか興味あって見に来たんだけど、なんか、瑠海のタイプじゃないわよね」

 ブルネットの女性は顎に手を当てう~んと考え込んでいる。

 瑠海のタイプ?

 何のこっちゃ?
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