イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「私がですか?胸だってないですよ」

 思わず控え目な胸に目をやる。

 隣にいるセーラはそこにいるだけでゴージャスだった。

 胸もあって、綺麗な身体してて……。

 王族の血を引いている事だけある。

 それに比べたら、私はどう見ても七五三でしょう?

 そうだよ、七五三。

 日本人なんだから着物で良かったんじゃない?

 あれはあれでスースーするけど、脚だって隠れるし、日本人の正装だ。

「どっかに着物落ちてないかなあ」

「往生際悪いわね。そのドレスで瑠海を悩殺したら?」

 悩殺してどうすんの?

 それに、どんな美人見たってあの男が悩殺される事はないような気がする。

 逆に嘲笑うでしょう、あの暴君は?

「それ何の得にもなりません。仕事でもやりませんけど」
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