イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「……桃華は瑠海に興味ないの?」

セーラは意外そうな顔で聞いてくる。

「美形ですから遠くで観賞するくらいは良いですけど、プライベートまで近くにいられるのはちょっと。犬扱いされるのムカつくんですよね」

「そんなに嫌?瑠海を欲しいって女性はいっぱいいるのにね。でも、瑠海は桃華の事結構気に入ってると思うわよ」

「あの人にとってはゲームなんですよ。私をからかって遊びたいだけです」

 結局、あの夜の事だって出張が終わるまで教えてくれないし……。

 妹の前だから言わないけど、性格悪過ぎ。

「ゲームのつもりが本気になったとしたら?」

「あり得ないでしょう?現代のカサノヴァみたいな人が、わざわざ私みたいなちんけなの選びますか?周りにとびきりの美人がいっぱいいるのに」

 あっ、ついムカムカして妹の前でカサノヴァって言っちゃった。

 でも、セーラは笑ってるし……まあいっか。
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