イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「それはくすぐったいんじゃなくて……まあ、いいか」

「途中で言うの止められると気になるんですけど」

「もうちょっと桃華が大人になってからね」

 瑠海がヨシヨシと私の頭を撫でる。
彼に子供扱いされムッとする私。

「二十七で大人じゃなかったらいつ大人になるんですか!」

彼に噛み付けば、しれっとした顔で返された。

「精神年齢の問題」

私の精神年齢低いって言いたいの!

 ギッと瑠海を睨み付ける。

 その口、ガムテープがあったら塞いでやるのに。

「ガムテープ探してるなら落ちてないよ。口塞がれるなら桃華の口が良いかな。ほら、そんな顔してないで行くよ」

 ……また私の考え読まれた。

 ほんと、何なんだろうこの人。

 瑠海が私の腰に当然のように手を添えてくる。

「その手……いらないでしょう?」
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