イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「シャーリーは近いうちにうちが買収する。今のアメリカの経営者ではそのうちシャーリーは駄目になるからね」

「つまりサプライヤーを取り込んで、相手がシャーリーを手放すのを待つんですか?」

 俺の考えに不服なのか桃華は瞳を曇らせる。

 株の買収は相手がこちらの動きに気づいたのか、なかなか上手くいかない。

 そこで最終手段に出たわけだが……。

「やり方が汚いと思う?」

「シャーリーを守るためなんですよね?だったら、うちが経営するんじゃなくて、シャーリーの創業者の一族に返しては?」

「創業者に返す?」

 自分が守る事しか頭になかった。

 いい考えかもしれない。

「そうだね。それは考えてなかった。上手く交渉して今後もシャーリーが上手く存続出来る道を探ろう」

「はい!私も上手くいくよう頑張ります!残業どんと来いです」

 桃華がにっこり笑いながら胸をボンと叩く。
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