イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「そういう可愛い顔はちゃんと見せてくれないと」

 俺は嫌がる桃華の顎に手をやり、強引に上を向かせた。

 顔は真っ赤で、目は何故か潤んでる。

「俺の本気の告白にドキドキしたんだ?」

 俺が面白そうに言うと、桃華はむきになって否定した。

「違います!ただ、驚いただけです!」

「桃華、それを世間ではドキドキしたって言うんだよ。でも、何でドキドキしたんだろうね?」

 そんな事をわざと彼女に聞く俺はかなり意地悪かもしれない。

「だから違います!」

桃華は声を大にして否定する。

「よく考えてごらん。宿題だよ」

 身を屈めて桃華の耳元で優しく囁くと、俺は動揺する彼女の唇に羽のように軽く口づけた。
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