イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 私……何言ってんの?

 こんな状況だから、頭がおかしくなってるんだ。

「危険手当て、いっぱいもらってやるんだから!」

 すべての元凶は瑠海だ。

 そうだ!

 日頃の恨み辛みをメールに残してやる。

 携帯を取り出して、瑠海宛にメールを打つ。

 英文では時間がかかるので、ひたすら日本語で打ち込んだ。

 奴はオールマイティーなのだから問題ない。

「もう出張には同行しませんから。それに、キスを挨拶みたいにするのは止めてください。セクハラです。それから……最後の晩餐がチョコバーだなんて嫌です。早く助けに来ないと、朝のコーヒーに緑茶混ぜますよ。早く助けに来ないと……」

 ……寂しくて死にそうです。

 涙でスマホの画面が見えない。
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