イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
17、自覚 ー 桃華side
 温かい……。

 毛布よりも柔らかくてその優しいその温もりに安堵する。

 もっと温まりたいと思ってすり寄ると、それは私を包み込むように優しく抱き締めてくれた。

 なんて心地いいんだろう。

 こんないいベッドがあったらいつでも安眠出来るのに。

 ずっとこのまま眠っていたい。

 このベッドなら私も冬眠出来る自信がある。

 夢で良いからこのまま寝かせて……。

 ベッドに頬擦りすると、何故か頬っぺたがチクッとした。

「痛っ‼」

 何で?

 びっくりして目を開けると、鼻と鼻がくっつきそうな距離に瑠海の顔。

 え?瑠海⁉︎。

 眠気が一気に覚めた。
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