イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「おはよ。よく眠ってたよ。カニって叫びながらよだれたらしてね」

 瑠海は意地悪っぽく笑うと、私の唇に触れようとした。

「よだれ?嘘!」

 私は彼が触れる前に慌てて口の周りを拭う。

「嘘だよ」

 瑠海がニヤリとする。

 この男は~!

 眠ってる時に顔にイタズラ書きしとけば良かった。

 ギッと睨み付けると、瑠海が身体を反転させて私を組み敷いた。

「それは止めてよね。心の声、筒抜けだよ」

「ちょっと!悪ふざけしすぎです!」

「大丈夫。外はまだ吹雪いてるみたいだし、救助隊はまだ来ない。ふたりの時間を楽しもうか」

 瑠海の顔が迫ってくる。
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