イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 現在は、イタリア人の実業家と交際中らしい。

 たまに食事をすることもあるが、大人になった今では何も感じなくなった。

 日本には三年いた。

 父と母の離婚が成立するまで。

 母は子供の事も忘れ恋に生きる人間だった。

 だが、幸い俺は祖母には恵まれた。

 シャーリーも鎌倉にいるばあちゃんも、俺に母以上の愛情を注いでくれた。

 妹のセーラとは父が違うが仲はいい。

 たまのランチでイーサンの愚痴を聞くのが兄としての俺の仕事。

 だが、他の女をエスコートしている時よりははるかに楽しめる。

「まあ、おばさんは自由人だけどな。お前がそうなるとは限らないだろ?多分、お前はまだ出会ってないんだよ。心奪われる女に」

「奪われるのは金だけで十分。金以外のものはやらない」
< 24 / 311 >

この作品をシェア

pagetop