イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 それに、瑠海は言った。

 不安、俺に分けてよって。

 喜びも、苦しみも瑠海と一緒なら乗り越えられる気がする。

「誓います!私が幸せにします!」

 店主に飛びかかりそうな勢いで宣言すると、店主と瑠海が大爆笑した。

「こっちは真剣なのに、何で笑うの!」

 少し膨れっ面になると、店主にごしごし頭を撫でられた。

「お嬢ちゃん、最高だね。いいよ、持っていきな。今お腹はペタンコだし、それはお祝いかい?その代わり、王子さんとの子供が出来たらうちの産着を使っておくれよ。うちは良いものしか扱わないからね」

 瑠海の子供?

 彼は美形だし、きっと可愛い赤ちゃんなんだろうな。

 赤ちゃん……赤ちゃん………。

 私との?

 想像すると、顔がぼっと火がついたように真っ赤になった。
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