イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい

「大丈夫よ。先生はただの脳震盪って言ってたし、頭の傷もすぐに治るわ。瑠海は殺したって死なないわよ」

　セーラが私に向かって笑ってみせるが、自分を責めずにはいられなかった。

　私は二回も瑠海を危険な目に遭わせている。

　そして、今回は私のせいで怪我まで負わせた。

　私が城を出なければこんな事にはならなかったのに。

「桃華、瑠海の事は私が見てるから一度城に戻ってゆっくり休んだら？その服も汚れちゃったし、シャワーでも浴びてすっきりした方がいいわよ」

「でも……」

「瑠海が目を開けたら知らせるから」

「……着替えたらすぐに戻ります。瑠海が心配で寝れないし、瑠海が目を開けた時に側にいてあげたい」

「わかったわ。自分を責めないでね。レオンから聞いたけど、あれは桃華が悪いんじゃないわ。レオンだって想定外の事で防ぎきれなかったって言ってたし」