イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「だから、自分の意志に関係なく引かれるんだよ」

「イーサンにとってはセーラだってことか?」

 俺は意地悪く笑ってイーサンの事に話をすり替える。

 すると、彼は頭をポリポリかきながら苦笑した。

「ま……まあそういう事になるか」

「だったら、他の女にちょっかい出すなよ。セーラが運命の相手というなら、大事にしてやれ」

「……結局、そこに帰結するのか」

 イーサンががっくりと肩を落とす。

「二十代でパパになるのもいいんじゃないか?いっぱい子供つくって継承者問題解決したら?」

「自分の事棚に上げるなよ。ギスランが何か問題起こしたら、次の大公、お前だぞ」

「それはごめん被りたいね」

「でも、ギスランよりはお前の方が器だと思うが」

「やめろよ。大人になってまで自分の人生振り回されたくない」
< 25 / 311 >

この作品をシェア

pagetop