イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「……意外に冷静なんですね。付け入ろうと思ったのに」
彼は残念そうに言う。
「すみません。これが私ですから」
私が素っ気なく言うと、木村さんはニヒルな笑いを浮かべた。
多分、これが彼の素なんだと思う。
「本当に兄も妹も手強いですね。こっちです。搭乗ゲートまでお見送りしますよ」
木村さんに案内されて通路を抜ける。
他の乗客の姿は見えない。
VIP用の特別な出入口のようで、パスポートも見せていないのに何故か顔パスでゲートまで行けた。
パスポートの出国のスタンプもいらないの?
ああ、もう考えるのも面倒だ。
何かあったら兄の名前を出そう。
「ありがとうございました。お元気で」
木村さんの顔を見ずにお礼を言ってさっさと搭乗しようとしたら、彼に呼び止められた。
彼は残念そうに言う。
「すみません。これが私ですから」
私が素っ気なく言うと、木村さんはニヒルな笑いを浮かべた。
多分、これが彼の素なんだと思う。
「本当に兄も妹も手強いですね。こっちです。搭乗ゲートまでお見送りしますよ」
木村さんに案内されて通路を抜ける。
他の乗客の姿は見えない。
VIP用の特別な出入口のようで、パスポートも見せていないのに何故か顔パスでゲートまで行けた。
パスポートの出国のスタンプもいらないの?
ああ、もう考えるのも面倒だ。
何かあったら兄の名前を出そう。
「ありがとうございました。お元気で」
木村さんの顔を見ずにお礼を言ってさっさと搭乗しようとしたら、彼に呼び止められた。