イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「桃華さん、その赤のシャーリー、あなたに似合ってますよ」

 木村さんの言葉に私は目で頷いた。

 そうだ。

 私にはこのシャーリーがある。

 瑠海が私にくれた特別なシャーリー。

 この子は私の相棒だ。

 一生涯の……。

 だから、ガラスの靴なんていらない。

 私には似合わないし、必要ない。
< 259 / 311 >

この作品をシェア

pagetop