イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「でも、万が一その状況になったら、お前どうする?」

「イーサンに譲る」

 勝ち誇った笑みを浮かべてそう言うと、イーサンはぎょっとした顔になった。

「じょ……冗談は止めろよ。俺は会社を継ぐし」

「少しも考えなかっただろう?俺が放棄するなんて。自分にもその可能性がある事自覚した方がいい。俺だって、いつ死ぬかわからないし」

「……脅かすなよ」

「人の運命なんてわからない」

「じゃあ、瑠海が恋に落ちる事もあるかもな?」

「・・・・」

「どうだ?この切り返し?」

 イーサンが得意気に笑う。

「調子に乗るなよ。俺は絶対に結婚しないよ」

「じゃあ、賭けをしようか?」

「何を?」
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