イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「皇太子になったのに無茶をする」

「惚れた女を守るのに皇太子なんて関係ないですよ。それに、好きな女も守れなければ、皇太子になる資格なんてない」

「確かに」

 桃華の兄が俺の目を見て笑う。

 今日の彼は今までと違う。

「今日はどうしてここへ?」

 彼の目的がわからない。

「桃華は今ごろ飛行機に乗ってる。俺の後輩に見送りさせた」

 ここまでくると、俺への嫌がらせだな。

 何を考えてるのか。

 素直な桃華と違って彼の意図がわからない。

「あなたの後輩ですね?あなたはまだ桃華とあの男をくっつけるつもりですか?やるだけ無駄ですよ」

「ちょっと桃華を試したくてね。だが、後輩は玉砕したらしい。桃華は君に惚れてる。ネットに流れている君と桃華の写真を見たか?」
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