イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 その時、バタバタと騒がしい音がしたかと思うと、セーラが病室に飛び込んできた。

「看護婦さんがアジア人のセクシーな男の人見たって!もしかして桃華のお兄さん来てる?」

 セーラの慌ただしい登場に修が唖然とする。

「セーラ、病院では静かにね。後で叔父さんとイーサンを呼んでくれるかな。大事な話がある」

やんわりと妹を注意し、落ち着いた声で告げた。

「わかったわ。修さま、お茶でもいかがですか?美味しい紅茶があるんですよ」

 セーラの目がハートになってる。

 これはイーサン完全に振られたな。

 御愁傷様。

「いや、結構。もうこれで失礼する」

 修が素っ気なく断ったが、これくらいで引き下がる妹ではない。
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