イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「三十までに瑠海が結婚すれば俺の勝ち。しなければ俺の負け」

「俺の楽勝だね」

「言ったな。じゃあ、俺が勝ったら、瑠海の愛車をもらうぞ」

「じゃあ、俺が勝ったら、イーサンの愛馬もらうよ。楽しみだな。厩舎も準備しないとね」

 俺が意地悪な笑みを浮かべると、イーサンが慌てた。

「え?俺のダークエンジェル?それは……なあ、違うのにしろよ」

「それじゃ賭けになんないだろ。お前が言い出したんだ。自信あるんだよね?」

「そ、それはまあ。でも……」

「決まりだよ。俺は恋なんかしないし、結婚もしない」

 イーサンの前できっぱり断言する。

 誰が現れても、俺のポリシーは変わらない。

 たとえ、地球上の女がたったひとりになったとしても……。
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