イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 全然物足りない。

 こんなに密着してるのになぜしてこない?

 そんな事を思ってしまう私の感覚は麻痺してるのだろうか?

 あっ!

 ひょっとして私、お酒臭い?

 お酒、結構飲んだよね?他人が酒臭いのって嫌だよね?

 やだ、どうしよう?

 今から歯みがきしてきちゃ駄目?あっ、でも歯みがきで臭いが消せるの?

「ああ、もう、どうすればいいの?」

 思わず声に出していたらしい。

「大丈夫。酒臭くないよ」

「え?」

「桃華、考えがだだ漏れなんだけど。俺にどうして欲しいのかな?」

 瑠海が意地悪な笑みを浮かべながら私をじっと見つめる。

 嘘は許さないというその目。
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