イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 ここまで浮気性だと救いようがない。

 セーラも浮気に気づかないほど馬鹿ではない。

 捨てられるとしたらイーサンの方だ。

「セーラには内緒に頼むよ。お前だって、夜は予定あるだろ、女と?」

 女と……。

 あるにはあるが、今日はそういう気分じゃない。

 名前も思い出せないような女。

 一緒に夜景を楽しむ?

 まさか……。

 なんとか俺の恋人になろうとする女と?

 なんか……辟易する。

 今日の俺はどこかおかしい。

 今までずっとそれで良かったはずなのにな。

 女の相手をするのが煩わしい。

 ひとりで夜景を楽しむのも良いかもしれない。

 夜の予定はキャンセルしよう。
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