イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 何を言っても今の彼女は聞く耳持たないだろう。

 桃華に近づき水道の蛇口を止めると、彼女の手をつかんだ。

 冷たい手。

 今朝はあんなに喜んでいたのに……。

 可哀想で見ていられない。

「離して!」

 桃華がすごい力で俺の手を振り払おうとする。

 半狂乱状態……。

 一度落ち着かせないといけない。
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