Black World
あれからも、特に成瀬との関係は変わらない。


強いて言うなら、前よりも成瀬との時間が増えたような気がする。


「絢瀬。最近、変わったね?」


ある日の休み時間、まひろがそんな事を言った。


「変わった。って、何が」

「丸くなったって言うか、少しだけ壁がなくなったような気がする」


壁?


ニコニコと、まひろは笑みを浮かべる。


何が、そんなに嬉しいのだろう?


変なのは、前から知っていた。


だけど今日は、いつもより変だ。


私はジッと、まひろの顔を見つめる。


「何」


「何。って、何が?」


「要件」


私の言葉に、まひろの瞳が揺れる。

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