Black World
そんな私の声が届いたのか、成瀬は顔を上げる。


「黒龍に入って欲しいんだって」


そう要件だけを伝えると、成瀬は盛大なため息を吐く。


そして隣の席に居た、琥珀に視線を向けた。


「コイツのこと、巻き込むなよ」

「俺は知らねぇよ。それに俺、佐倉さんと話したことねぇし」


2人は、そんな会話をし出す。


そして、話が終わったのか?


成瀬は再び、こちらへと視線を向けた。


「暴走族、嫌いだろ?お前」


そう言えば、前にそんな話をした気がする。


「だから入らねぇよ」


それが、断る理由?


予想外の成瀬の返答に、相手の様子を伺う。


「怠いし」


、、、だと思った。


たぶん、これが本当の成瀬の気持ちだろう。

< 144 / 232 >

この作品をシェア

pagetop