Black World
成瀬が入りたいと望むなら、Black Magicに簡単に入ることができる。


きっと、誰も反対しないだろう。


でも、成瀬は本当にBlack Magicに入りたい。


そう、望んだ日はあったのだろうか?


そんなことを思っていると、チャイムが鳴った。


だからその真意を確かめることなく、私は成瀬のクラスを後にした。


だけど授業に出る気が起きなかった私は、鞄も持たずに学校を後にする。


いつもより、明るい時間。


人通りも少ない、家路。


家に着き、部屋のドアの前でため息を零す。


家の鍵、鞄の中だった。


何やってんだろう。


そんな自分自身に呆れる。

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