Black World
ポケットの中から携帯を取り出したが、誰に連絡をすれば良いかわからない。


部屋のドアに寄りかかり、何を考えるわけでもなく、ただボーっと無気力で時間を過ごす。


季節は夏を迎えていて、額には汗が滲む。


日が傾き始めたというのに、まだ蒸し暑さが残る。


こうやって居ても、仕方のないことはわかっている。


学校に戻りたくないなら、大家の所にでも行って、鍵を借りればいい話。


それが1番の解決策だとわかっているのに、体は動かない。


自分が何をしたいのか?


何に揺れているのか?


少しだけ、わかり始めている。


全部、中途半端な私がイケない。

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