Black World
連絡先を交換したのに、1度も連絡を寄越さなかった男。


なのに、急に目の前に現れた男。


目的は、何?


疑うような眼差しを向け、相手の様子を伺う。


「久しぶり」


こちらの気持ちも知らずに、男は笑みを浮かべる。


「何ですか」


私は素っ気なく、用件を尋ねる。


「ちょっと付き合ってよ」

「急いでるんで」


断りを入れ、私は歩みを進めようとする。


「Black Magic」


男の言葉に、私は再び歩みを止める。


そして、男へと視線を戻す。


「乗って」


すると男はバイクに跨り、自分の後ろに乗るように視線を向ける。


そんな男の態度に、渋々従った。

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