Black World
一応、最後の忠告だけはしてあげよう。


それで素直に言うことを聞かなかったら、不可抗力ってことで。


「遊ぶ気なんてないから」

「そう言わずに〜」


いい加減、、、


「離せ」


突然現れた男の言葉に、相手は血相を変えて走り去って行く。


「お前、隣町の人間か?」


、、、え?


眉を潜め、私は男のことを見る。


この人は、、、


来陽は、何を言ってるの?


私の頭は、困惑する。


だって、何かがおかしい。


そんな私たちの頭上から、ポツポツッと雨が零れてくる。


でも、その場から動くことが出来なかった。


次第に強さを増す雨の中、私と来陽は言葉を交わすこともなく見つめ合う。

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