Black World
こんな人、私は知らない。


来陽は、こんな人間じゃなかった。


どう、して?


私が呆気に取られていると、来陽はそのまま歩き出す。


そして着いた先は、昔何度も来た来陽の家だった。


部屋の中へと入り、来陽はバスタオルを差し出す。


「濡れて気持ち悪いから、風呂入って来るわ」


それだけ言うと、来陽はお風呂場へと歩いて行く。


来陽への、違和感。


それに、さっきの言葉。


『もしかして、1度寝た子?また、抱いてあげよっか』


私の知っている来陽と、今の来陽が掛け離れ過ぎて頭は付いていかない。

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