Black World
担任がHRをし、授業が始まり、昼休みになる。


4時間目の終了チャイムが鳴るなり、まひろを避けるように教室を出る。


誰にも会いたくないと思った私は、人気の少ない西棟へと来ていた。


教室がある東棟とは違い、静かで自分の足音さえもやけに響く。


誰にも言えない、想い。


自分だけでは抱えきれない、現実。


ため息と一緒に、不意に涙が頬を伝う。


誰も居ない。と言っても、ここは学校。


誰かに見られる可能性だって、充分ある。


だけど1度零れた涙は、中々止まる術を知らない。


理不尽だ、不公平だ。


そんな不満を零したところで、何も変わらないのに嘆かずにはいられなかった。

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