絶対に逃げられない部屋




良太は辛そうに手でのどを押さえながら言った。





「あ~叫びすぎてのど痛ぇわ。のども渇いたし最悪だ」





僕らはだいぶ長い時間閉じ込められているが、その間ずっと何も口にしていない。






綾乃はトイレに行きたいのを我慢しているようで、さっきからソワソワと落ち着かない。





「あんまり我慢するの良くないよ。僕と良太は青い部屋にいるから、赤い部屋で済まして来たら?」




「いや! 絶対にしない!死んでもしない。そんな恥ずかしい真似出来っこないもん...」




綾乃は首を激しく振って、僕の提案を拒んだ。





家が裕福でお嬢様育ちの綾乃には、トイレ以外で用を足すことに、強い屈辱を感じていた。



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