絶対に逃げられない部屋
今はトイレの問題で済んでいるが、今後食糧の問題も出てくる。飲み水も。
キャンプに立ち寄る前に大量にスーパーで買い込んだはずだったのに、今の僕らの持ち物はつながらないケータイと財布だけ。
・・・・・もしかしたら3人の関係にひずみが入ることもあるかもな。このままだと。
そんなことを考え込んでいる矢先のことだった。
良太は部屋の右隅あたりを指さしてこう言った。
「あーあの辺りにトイレが欲しいなぁ」
何気ない一言だった。
頭の中の願望を口に出して言っただけ。
良太がしたのはただ、それだけ。
それだけなのに。
良太が指さした場所にいきなりトイレが出現したのだ。
「「「えええ~~~~!!」」」
3人とも声をあげて驚いた。