絶対に逃げられない部屋



僕は良太の肩をつかんで問い詰めた。




「お前何した? なんでいきなりトイレが出てくるんだ? まさかこの部屋、お前が仕組んだのか?」


良太は両手をクロスしてバッテンを作りながら否定した。



「ちがう。ちがうって。俺も大パニックだっつーの。ただ綾乃が苦しそうだったから、トイレがあったらなぁって口に出してみたら本当にトイレが出てきたんだ。嘘じゃねーよ」




別に嘘をついているそぶりはなかった。



僕らは一度本物のトイレか確認するため、近づいて触ってみたが、まぎれもなく本物だった。



きちんと配管も繋がっていて、水も出てくる。





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