絶対に逃げられない部屋



綾乃は良太に不思議そうにたずねた。



「ねぇ、口にしただけで出てきたって本当?」



「マジマジ。俺、他に何もしてねえもん」




綾乃は少し考えて、左手を宙に伸ばしてこう言った。




「お願い。お水が飲みたいの。ペットボトルのミネラルウォーターをちょうだい」



結果は良太のとき同じだった。




いつのまにか、綾乃の手には水の入ったペットボトルが握られていた。



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