絶対に逃げられない部屋
「すごいすごい。本当に出てきた♪」
実際に綾乃はペットボトルを開けて口にしたが、正真正銘の水だった。
「そうか、ここは夢か。だから何でもありなんだな」
良太は指をパチンと鳴らして納得していた。綾乃もそうとしか考えられないと同意した。
確かに。望んだものが出てくるなんて。
そんな夢みたいな部屋が現実にあるとは到底思えない。
夢としか考えられない。
しかし僕はどうにも府に落ちない違和感があった。