絶対に逃げられない部屋
良太は突然釣りがしたいといって、釣竿をだして、部屋の左隅の一部を海に変えて、釣りをし始めた。
綾乃は「私、動物が好きなの」と、ウサギや馬、虎や熊など色んな動物を出して、たわむれている。
呼び出したものはいつでも消すことが出来た。
一度、綾乃が呼び出した熊が良太を食べようと馬乗りになったときも、良太が熊を指差して「消えろ」というと、熊は跡形もなく消えた。
ちなみに、良太が食われそうになっているときも、綾乃はずっと熊の背中に抱きついて「もふもふで超気持ちいい~」とご満悦の表情だった。
熊を消すと、「もう!なんで消すのよ!!」と、良太が綾乃にむちゃくちゃ怒られていたのは、さすがに良太をかわいそうに思った。
まぁこれも酒の席だ。無礼講ということですまそう。
僕はそんな2人を、札束でいっぱいのバスタブに浸かりながらぼんやりと見ていた。