絶対に逃げられない部屋
張り紙の出現
赤い部屋に戻っても、特に変わりは無かった。
青い部屋のように、何か物を呼び出せるわけでなく、ただ赤の裸電球がこうこうと輝いている。
変化という変化はなかった。
ただ一点をのぞいては。
最初に気付いたのは良太だった。
「なぁ、こんな張り紙貼ってなかったよな?」
赤い部屋の壁に一枚、真新しい張り紙が貼ってあったのだ。
もちろん僕ら3人が出したものではない。
初めに倒れていたときには、間違いなく貼られていなかった。
その張り紙にはこう書かれていた。
”この紙に一番会いたい人の名前を一人だけ書け”